子供の頃の夏休み。
お昼ご飯を食べて扇風機の前でゴロゴロしていると、
母に「またそっだらめぐせぇこどして!」
と怒られた。
お風呂の用意をしたからはいってきなさい、と言われて渋々承知する。
けれど、明るい時間のお風呂はなかなか気持ちが良いものだ。
お風呂上がり、タオル一枚でうろうろしていると母に呼ばれる。
母の部屋に行くと見覚えのある浴衣がある。
今日はお祭りの日だ!と気付くと、わくわくが止まらない。
動き回って母に「ほんつけなし!」と怒られながらも上昇する気持ちは止まらない。
出来たよ!と言われて鏡を見ると、
見慣れない姿の自分が居る。
ちょっとこそばゆい。
けれど、やはり母に着付けてもらうのが一番綺麗だと思う。
お囃子の音が聞こえてくる。
母に手を引かれて、田舎独特のでこぼこ道を歩く。
母の手の熱さと、頬を撫でる風が気持ちが良い。
そんな思い出。